子供の頃、ヴァイオリンを習っていた。
全く覚えていないのだが、自分で「ヴァイオリンを習いたい」と言い出したらしい。
6歳ころから定期的にレッスンを受けるようになり、中学1年生頃まで続けていた。
小学校高学年から中学にかけてはあまり練習が好きでなく、心も繊細になっていた時期で、最後はレッスン中にカンシャクを起こして、泣きながら「やめる宣言」をした。
レッスンは二人の先生のもとに通っており、また母もピアノの生徒を取っていたので、発表会など人前でヴァイオリンを弾く機会は多くあった。
最後の発表会ではメンデルスゾーンのコンチェルトの第一楽章を演奏した。
ろくに練習ができていなかったので、恥ずかしい演奏だったように記憶している。
それ以外で印象に残っているのは、小学校低学年のころ、ルーテル市ヶ谷ホールで、確か「狩人の合唱」か何かを弾いた発表会だ。
客席から直接舞台に上がり演奏して、終わった後、ロビーの右側のベンチあたりで親だったか先生だったかに褒められたこともおぼろげながら記憶に残っている。
あの頃はヴァイオリンが好きだったのか嫌いだったのかわからないが、あの日はうれしくその後のお兄さんお姉さんたちの演奏も聴いていたように思う。
あの日以来、三十数年ぶり(記憶が正しければあれ以来一度も来たことはなかった)に、ルーテル市ヶ谷ホールの中に入らせていただいた。
記憶より少し小さく感じたが、自分が大きくなったのだと思いなおした。
舞台上方につるされた十字架のモニュメントも記憶にあるそのままで、うれしく懐かしく思った。
今回訪れたのは、11月のコンサートのリハーサルに使わせていただくためだった。
本番は練馬区文化センターで行うのだが、このルーテル市ヶ谷ホールでも、響きもよく席数も程よく、何か機会を設けてできたらと思う。
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